【特許 第3242593号】
百済から伝えられて以来1400年、四季の温度変化や雨、雪、風などの過酷な自然環境との戦いのなかで育まれてきた日本瓦。
21世紀を迎えようとする今も、日本家屋と暮らしを守りつつ美しく機能しています。その究極の到達点のひとつに寺社建築に受け継がれてきた本葺瓦があります。また、それに対峙する存在として樹皮や薄板を葺いた桧皮葺(ひわだぶき)や?葺(こけらぶき)などが今なお高い
評価をうけています。どんなに時代が変わろうと、瓦屋根に必要なのは「雨漏りがない」「長期間風雪に耐える」「見た目が美しい」という三つ要素です。瓦道は、この条件を満たすとともに、これからの住まいの多様化にこたえられる屋根瓦のあり方を探し求めてきました。
そして今、日本美への回帰をテーマに、本瓦葺と桧皮葺などの良さを融合させた「平新瓦」をつくりあげたのです。
特有の三枚重により雨漏りを防止するとともに、唐草瓦・巴瓦などの役瓦を使わず豊かな表情を演出。しかも、わびさびの世界の象徴である茶屋や庵が持つ静寂と幽玄さを漂わせています。日本における美的理念のひとつである無駄を削ぎ落した生き方を粋と感じる精神性を大切にした
「平新瓦」。いぶし瓦ならではのしっとり落ち着いた色調が、経年とともに深みを増し、住まいの品格を一層高めてくれます。
そして1998年、現代の建築文化の1画を表現する鋭い感性と確かな技術が評価され、わたくしどもが開発した新瓦「平新瓦」が「98なら・グッドデザイン大賞」を受賞しました。
飛鳥時代から継承した伝統技術と最新のノウハウを駆使し、瓦道(瓦又)が完成させた“平新瓦。
桧皮葺き風の簡素な優美さを今に受け継ぎながら、瓦に求められる高度な雨漏り防止と通気性を同時に実現しました。
■純和風はもちろん洋風新建築にも映える端正なシルエット。
■独自の新・水封理論で通気しながら雨漏り防止。
■役瓦を使わず桟木に瓦を並べるだけの簡単施工。
■荷重を9点に分散、踏割れ・積雪割れなどを防止。
■雨、風雪、湿気から屋根機能を守る独自の瓦葺き構造。
■瓦の重なりが左右にないため部分補修が容易。
■荷役・施工効率を高め瓦葺き総費用を大幅削減。
新緑の春、炎暑の夏、紅葉の秋、風雪の冬、それぞれの季節に美しく映える「平新瓦」。これまでの平瓦の常識を打ち破った簡素で寡黙な屋根瓦です。 どっしりとした落ち着きを感じさせる桧皮葺風の三枚重。本瓦や桟瓦では表現できなかった、すっと伸びたラインが醸しだす高級感あふれる陰影。 誰もが心を奪われる石版を敷きつめたような美しいシルエット。多くを語らない端正な表情は、和洋を問わずさまざまな建築と見事にとけ合い、暮らす人の個性を静かに物語ります。そして町の風景と見事なハーモニーを奏でます。
遥か飛鳥時代から積み重ねてきた技術と経験をもとに、瓦の表面に緩やかなアーチを持たせた「平新瓦」。無駄のないアーチ構造により、強度を高めるとともに外観からは想像できないほどの軽量化を実現しました。表面のアーチが雨水をスムーズに流し、裏面のアーチが毛細管現象による下地への水の浸潤 を防止。しかも、三枚重で葺きあげますので雨漏りの心配はありません。日本特有の激しい温度変化や気候条件に対しても堅固です。三枚重で雨から家をしっかり守るとともに、屋根全体に適度な荷重をかけることにより、台風や地震などによる上下左右の激しい揺れにも優れた耐久性を発揮。 あらゆる過酷な自然条件のなかで長期間にわたってご使用いただけます。高温でしっかり焼き固めた瓦地は、水分をしみこませないばかりか、家自体が持つ余分な湿気を瓦の表面から蒸発させる効果も持っています。施工方法は、桟木に瓦を固定するだけ。経験の浅い方にも短期間で美しく葺き上げることができます。 役瓦を使いませんので施工には手間がかからず、瓦葺の総費用を大幅にコストダウンできます。強さと手軽さと安心を兼ね備えた「平新瓦」は、日本瓦の伝統と現代の技術力が生み出したまったく新しい平瓦です。
■現場での作業性にまで配慮して設計された平新瓦。
■簡単、低価格で熟練職人さんの仕上がり。
■年数の少ない職人さんも美しい葺き上がり。
■桧皮葺きを思わせる落ち着いた千鳥配列。
■長期間、雨漏りなどの心配がない安心設計。